
日本のワイナリーが製造したワインであったり、原産国名が「日本」となっていると、ブドウの収穫からワインを作るまでを、日本で行っているイメージがありますが、それは大きな間違いです。
むしろ国内で製造されているワインは、海外から輸入した原料を使用して、ワインを製造していることの方が多いです。
しかも、そのブドウがどこから輸入されたかの表記はありません。
「ワインは体にいいし、国産なら安心」と何も気にせずにワインを購入している方は要注意です。
今回は、ブドウの栽培から、ワインの製造まで全て日本で行っているワインの選び方を紹介します。
投稿者:ぴっく
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国産ワインの原料
まずはこちらの表をご覧ください。
この図を見て頂くと分かるように、国内製造のワインで使用されている「国産のブドウ」は全体の約1/4しかありません。
残りの国内製造ワインに必要なブドウは約3/4は、海外からの輸入に頼っています。

輸入果汁使用とは
「海外から濃縮したブドウ果汁」を使用しています。
ジュースでも安価なジュースは、「海外から濃縮した果汁を輸入して、日本で水を加えた」濃縮還元ジュースが多いですが、これと同じです。
果物をジュースにして、さらに濃縮すれば、輸入のコストが下がりますからね。
そして、国内でブドウを栽培するよりも、海外でブドウを栽培し輸入した方がはるかに安いです。
輸入ワイン使用とは
「海外で製造されたワイン」を使用しています。
この場合、「日本のブドウを作って作られた国産ワイン+輸入ワイン=国内製造ワイン」
「輸入ワイン+濃縮還元ジュース(輸入果実)+水=国内製造ワイン」など。

ただし、一概に「輸入の原料が悪い」という訳ではなく、ワイナリーによっては、こだわりを持って厳選した産地から輸入しているところもあります。
国内のワイン用ブドウの生産は少ないので、海外からの輸入原料が「国内製造ワイン」を支えてくれているのも確かです。
【見分け方は簡単】ラベルの表記を見れば簡単です
「国産のブドウを使用して、国内で製造されたワイン」と「海外から輸入した原材料を使用して、国内で製造されたワイン」を見分けるためには、ボトルのラベルを確認しましょう。
以前は見分けがしにくかったのですが、2015年10月30日に国税庁により、『「日本ワイン」とは、国産ブドウを原料にした果実酒である』と定義されました。
一方で、『原料が国産か外国産に関わらず「日本ワイン」を含む国内で製造された果実酒及び、甘味果実酒は「国内製造ワイン」と呼ぶ』とされています。
つまり、「国内製造ワイン」の中に「日本ワイン」のカテゴリーがあるということですね。
詳しくは国税庁HP 果実酒等の製法品質表示基準を定める件に記載されています。
実際にボトルのラベルを確認してみると、
国産のブドウを使用したボトルには「日本ワイン」の表記がありますね。

まとめ:純国産のワインは「日本ワイン」とかかれたワインを選ぼう
日本で栽培されたブドウを使用したワインを買いたかったのに、海外で栽培されたブドウのワインを買ってしまっていた…とならないように、ワインのラベルをしっかり確認しましょう。