重要度:

また、それぞれの保護の定義やラベル表示義務なども異なるので、違いも確認しましょう。
ポイント
- 原産地呼称保護と地理的表示保護の国による表示の違い
- 原産地呼称保護と地理的表示保護の定義の違い
- ラベル表記の主な義務記載事項と任意記載事項
EUのワイン法
品質分類
原産地呼称保護と地理的表示保護は、1992年にEUが農産物を対象に導入した制度で、ワインも対象となり、2009年8月1日に発行し、2009年ヴィンテージから適用されています。
また、新ワイン法では旧ワイン法で使用されていた伝統的表記も個別に認められています。
原産地呼称保護と地理的表示保護の定義の違い
原産地呼称保護 | 地理的表示保護 | |
産地とワインの関係 | 品質と特徴が、特殊な地理的な環境に起因 | 生産地に起因する品質、名声、特徴がある |
その産地のブドウの使用割合 | 100% | 85%以上 |
生産場所 | 指定地区内 | 指定地区内 |
ブドウの原産種 | ヴィティス・ヴィニフェラ種のみ | ヴィティス・ヴィニフェラ種、 またはヴィティス・ヴィニフェラ交配種 |
EUにおける新ワイン法による主要国の品質分類のまとめ
フランス | イタリア | ドイツ | スペイン | ポルトガル | オーストリア | |
原産地呼称保護 | A.O.P. | D.O.P. | g.U. | P.D.O. | P.D.O. | g.U(P.D.O.) |
伝統的地理表示 | A.O.C. | D.O.C. D.O.C.G. |
Prädikatwein Qualitätswein |
V.P.Ca. V.P. D.O.Ca D.O. V.C.I.G. |
D.O.C. | Prädikatwein Qualitätswein D.A.C. |
地理的表示保護 | I.G.P. | I.G.P. | g.g.A. | I.G.P. | I.G.P. | g.g.A.(P.G.I.) |
伝統的地理表示 | Vins de Pays | I.G.T. | Landwein | Vino de la tierra | Vinho regional | Landwein |
地理的表示の ないワイン |
S.I.G. Vin |
Vino | Deutscher Wein | Vino | Vinho | Wein |
伝統的表示 | Vin de France | Vino da Tavola |
※スマホは横にすると見やすいです。
ラベルの表記
主な義務記載事項- 製品のカテゴリー(ワイン、VDLなど)
- A.O.P.、I.G.P.のワインはその表記と名称
- アルコール度数
- 原産地
- 瓶詰め業者名(スパークリングワインの場合、生産者と販売業者)
- スパークリングの場合、残糖量の表示
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- 収穫年*1
- 原料のブドウ品種*2
- スパークリングワイン以外の場合の残糖量の表示
- A.O.P.、I.G.P.のEUのシンボルマーク
- 生産方法に関する記述
*1…85%以上、その収穫年のブドウを使用していなくてはいけない。
*2…単一のブドウ品種名を表示する場合は、85%以上使用していなくてはいけない。
また、2種類以上のブドウ品種名を表示する場合は、100%それらの品種で構成されており、使用されている量が多い順に記載する。
復習問題
次のうち、原産地呼称保護の定義で間違っているものはどれ?
①品質と特徴が、特殊な地理的な環境に起因する
②指定地域内で栽培されたブドウのみから醸造する
③生産は指定地域内で行う
④原料はヴィティス・ヴィニフェラ種、及びヴィティス・ヴィニフェラ交配種
正解:④
EUのワイン法における地理的表示付きワインで、ラベルの表記として記載義務事項なのはどれ?
①瓶詰め業者名②A.O.P.、I.G.P.のEUのシンボルマーク③ブドウの品種④収穫年
正解:①
EUのワイン法における地理的表示付きワインで、ラベルの表記として任意記載事項なのはどれ?
①アルコール度②瓶詰め業者名③原産地④収穫年
正解:④
ワインのラベルに収穫年を記載する場合、何%以上その年のブドウを使用してないといけないでしょう?
①100%②95%③85%④80%
正解:③